学部長インタビュー

9月某日、矢上キャンパスにて慶應義塾大学理工学部青山学部長にインタビューをさせていただきました。

委員(以下委):本日はよろしくお願いします。
青山学部長(以下青):はい、よろしくお願いします。
:まずは理工学部に関して質問なのですが、青山学部長の目指す慶應理工学部というものはどういうものなのでしょうか?
:まず国際化ですね。もっと理工学部の学生さんが、ヨーロッパでもアメリカでもアジアでも、外国の大学を経験して、文化に触れて友達も作ってね。逆に、もっとたくさんの留学生のみなさんが4年フルで学部卒業する人が増えてほしいし、それから、短期でもいいですから矢上に来てもらって交流をするような場を作ってほしいなと。そういう目指すことはたくさんあるのですけども、やっぱりトップクラスの国際的な関係をもった大学、学部…そういうのにしたいなぁ。
:学生が海外に行くと色々なものを学んでくることができるということなのでしょうか?
:そうですね、海外に行くと、日本人とは考え方が異なる印象を受ける場面に遭遇することが多々あります。日本人とは何かを組み立てていくときに、思考の順番が違いますよね。そういう違う考えのもとで、短期でも長期でも経験を積むこと。それからやはり…外国の文化ですね。それに接するっていうこと。あと友達ができる。これは大事だと思いますね。自分一人で海外へ行くと、いきなり向こうのシステムに放り出されちゃうからね。観光旅行は、なにかこう保護チューブの中を行くようなものだから(笑)たまにチューブから半日外に出ることはあるかもしれないけど、自分で留学すると、それこそ駅について大学に行ってどこ行ってと全部自分でやるわけだから。そういう体験をすると、肌でその外国の文化というものを感じるし、友達もできるので、それをもってまた帰ってくると、1つ人間が大きくなるというか、豊かになるよね。だからぜひそういうのをみんなやったらいいかなと。

青山学部長

:他の大学にはない慶應理工学部の長所はどのような点であるとお考えですか?
:教育のことでいえば、1年生で学門別で入ってきて、1年生のうちはいろんな道に進む人たちと一緒に勉強して、遊んだりして、2年生になるときに学門の中である程度制約はあるけど、希望の学科に進学してそこで勉強して、今度はその段階で研究室に4年で入る。それからいま大学院へは70%以上の人が進学しますけど、大学院に進むときも、今度は研究室をもちろん変ってもいいし、3つの大きな専攻があって、そこから今度は専修を選んでという…入学してから学部卒業してあるいはその先の修士課程・博士課程に進むまでに、自分で考えて自分で道を決めていく機会が沢山ある、そういうところが慶應理工学部と理工学研究科の特徴だと思います。それから、これは慶應だけというわけではないですけど、1人の教員あたりの学生さんの数が割合少なくて、密度の高い指導ができる。そこらへんが理工学部の長所だと思います。
:慶應の仕組みでは入学時に学問ごとに分かれ、その後学科がどんどん分かれて行くので、理工学部の中でもいろいろな分野の友達が出来やすいのかなと思います。
:大学院に行ってもそういうことはあると思いますね。卒業研究の時とか、大学院に進んで研究を行う時に、例えば自分は機械系の方に行っていて、研究を進めている時に、電気とか化学で何か実験をするのに相談に乗ってほしいときとか、まぁ先生のとこに行けばいいんだけど(笑)、先生のとこに行くのはなかなかちょっとって時に、化学系の研究室に僕の友達がいるとか。僕も学生の時に当時の電気工学科の研究室に友達がいて、よくコンピュータを作るなんて時に教えてもらったりしてね。お互いにそういう関係がありましたね。

:今後世の中で理系が担うべき役割というのはどのようなものだと学部長はお思いですか?
:うーん、最近の話でいうと、総理になった鳩山さんは理系の方なのですよね。だから必ずしも理系だからといって、ものづくりだとか技術だとかそちらだけに役割を担うわけでもない。いろんな世の中のことを考えていくということですね。日本の社会とか世界をリードしていくのに理系の人間というのは非常に重要だと思います。もちろん殆どの方は自分の卒業した分野で、科学技術の発展のために色々仕事していくのだと思いますけど、それだけじゃなくて政治の世界だとか、会社経営だとかに理系のセンスっていうのは非常に大事なのです。こういうのはもっと増えてもいいのではないかと僕は思いますね。地球の環境問題があるでしょ。このまま放っておくとどんどん環境が悪くなっていくと。ところがエネルギー放出を制限しようとすると経済活動が低下する。そこで理系的なセンスでね、そういう環境問題をどうやって紐解いていくか。1つは技術の問題、1つは政治の問題、そういうところに理系を卒業した人というのはとても大事。これからの地球の環境問題を見ているともっと活躍の場はあると思いますね。
青山学部長 :学部長個人に対する質問に入っていきますが、大学時代に経験したり学んだりしたものの中で、今自分に最も影響を与えているのはどのようなことですか?
:僕はトライボロジーと言って、固体の表面の摩擦とか摩耗などを扱う学問なのですが、それを大学院に行って博士課程で勉強してやったのですけど、その時になぜこれに進んだかというと、岩波新書で摩擦の話を非常にやさしく書いてある本を読んで、そしたらものすごく分かりやすくて面白かったのですね。それに惹きつけられて、それで今の分野の研究を始めたのですよね。だから強い影響与えたものは1冊の本。学部長になってあんまり研究する時間がなくなって辛いのですけどね(笑)それが1つあります。それから、やっぱり友達ですね。1年生で化学実験とか物理実験をペアになってやるのだけど、今でもそうですかね?
:はい、そうですね。
:いつも同じ人と一緒にね。僕は友達がいて、彼は化学実験が苦手でね。僕がいつもやっていたので僕の白衣だけぼろぼろ(笑)ところが、彼は数学が得意で、それはよく教えてもらっていました。それから、その友達を核に何人かで日本中あちこち旅行してみたり、いろんなことを話したり。当時学生運動が盛んで、「授業ボイコットだー」とか言ってバリケード作ったりしてすごかったのだけどね。結局大学院に行くときもどうしようかとか、そんな話をして…友達の影響っていうのは大きいですね。意外と大学時代に出来た友達っていうのは卒業しても割合続きますね。もちろん小学校の友達っていうのもいるけどね。大学の友達っていうのは色々後で会っても助け合ったりすることもあるし。
:学生時代はどのような学生でしたか?
:うーん、そうだなぁ…もともと運動神経がなかったからそういうスポーツとかサークルに入ってガンガン運動していたとかそういうのはないですね。どっちかっていうと友達とみんなで渋谷とか行って遊んだりしていた(笑)休みとなればよくみんなで旅行もしていましたね。

青山学部長

:矢上祭について、どのような印象をお持ちですか?
:理工学部の学生さんたちが中心になってやる学園祭で、パンフレットの記事にも書かせてもらったのですけど、研究室の見学とか公開とかそういうものもあって、非常に特徴のある一味違った文化祭だと思いますね。それでいて来場される方が割合、ご家族とかの矢上の近隣の方々とかでね。周りの矢上祭を支援している人、そういう人たちの参加意識が非常に高い文化祭だなと思います。
地域とのつながりがあるっていうのも昔からの事だし、理工学部の学生さんを支えているいろんな人がいっぱい来て、盛り上がっている文化祭な気がします。
:その矢上祭が今後もっと発展していくためにどのようなことができるか、何かアドバイスいただけますか?
:そうですねぇ、今大学院に進むのが7割もいるのですが、大学院の人っていうのはあんまり参加してないのですかね?
:はい、確かに参加は少ないですね...
:やはり修士の1年生とかね、もう少し大学院生もやってくるとさらに盛り上がるのではないかな。何か今矢上祭中にやっている企画で、賞を出すっていうのはあるのですよね、僕はYouTubeで見たのですけど(笑)色々面白い企画やっているのね。そういうのに新しい企画を加えるとか、矢上祭での色々な様子をメディアでPRしていく。それが大事だと思います。矢上祭のHPはもうちょっと外から見えるようになるといいですよね。あとは著名な人をお招きして、講演を御願いするとか。ただ理工学部の学生さん忙しいから、両立するのは大変だと思うのだけど。
:最後に理工学部生へのメッセージをお願いします。
:今年は、記念すべき10回目の矢上祭が開催されるので、理工学部の学生さん中心にぜひ友達もご家族も、皆さんお誘い合わせのうえ、是非、矢上に遊びにいらしてください。普段は勉強で忙しいと思うけれども、ぜひその日は別の顔を見せて欲しいですね(笑)矢上祭の2日間は学生さんも教員も一緒になって楽しみましょう!!
:今日はどうもありがとうございました!!